【婦人科医監修】低用量ピルのオンライン診療は安全?利用時の注意点 | 山口あきこクリニック

【婦人科医監修】低用量ピルのオンライン診療は安全?利用時の注意点

2025.06.22
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新型コロナの感染拡大をきっかけに、主流になりつつあるピルのオンライン処方。

スマホやPCで医師の診察を受け、最短翌日には自宅に薬が届くという、とても便利なシステムです。

特に低用量ピルは、休薬期間を除いて毎日服用が必要であるため、価格を抑えたいという方も多いでしょう。

この記事の監修

山口晶子

山口あきこクリニック

院長 山口 晶子

日本泌尿器科学会(専門医、指導医)
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■経歴

平成8年 愛媛大学医学部医学科卒業 泌尿器科学教室入局
平成12~14年 名古屋市立大学泌尿器科学教室 小児泌尿器科診療に従事
平成14年~ 愛媛大学附属病院泌尿器科 女性泌尿器科、小児泌尿器科を中心に診療
平成21年~ 良秀会泉北藤井病院、梅田ガーデンシティ女性クリニック
平成26年5月7日 山口あきこクリニック開院
大阪中央病院、大阪赤十字病院 登録医

ピルのオンライン処方とは?

ピルのオンライン処方

ピルのオンライン処方とは、医療機関に行かなくても電話やビデオ通話で医師の診察を受け、自宅に薬を届けてもらえるサービスです。

忙しい中でも手軽に薬を手に入れられるため、ピルを利用している方にとって便利な方法として評価され、オンライン処方を選ぶ方が増えてきています。

オンラインピル処方 診療の流れ

予約する

1.予約する

まずは、オンラインクリニックのWEBサイトやアプリ等で、空いている日程を選択し予約をします。(事前にLINE登録が必要なケースもあります。)

予約時に問診票を入力するクリニックもあります。
問診票には、現時点での体の状態や服用中の薬などを入力します。

オンラインで医師の診察

2.オンラインで診察

医師による診療は電話やビデオ通話で行われます。
予約時間が近づくと、通知がなることもあります。

中にはチャットのみで診療を受け付けているクリニックもありますが、医師の顔が見えるビデオ通話のほうが、より安心感を感じられるでしょう。

代金の支払い

3.代金の支払い

診察後は、代金の支払いを行います。

予約時に登録したクレジットカードで自動決済されることがほとんどですが、銀行振込や後払いを受け付けているクリニックもあります。

ピルの発送&到着

4.ピルの発送&到着_

多くのクリニックで即日ピルを発送してくれます。離島など離れた地域でなければ、翌日に届くでしょう。

アフターピルの処方の場合、バイク便や速達便で最短30~1時間で届けてくれるケースもあります。(別途、バイク便料金が数千円かかります)

どっちが安い?病院とオンラインの違い

どっちが安い?病院とオンラインの違い

産婦人科での対面処方と比べ、オンライン処方の方が比較的安価なことが多いと言えるでしょう。

オンラインの場合は医療機関に足を運ぶ必要がないため、交通費がかかりません。

中には診察費や送料が無料のプランや、定期便やまとめ買いでさらにお得になるケースもあります。

一方で、診察料は無料でも、「システム利用料」という形で1,000円~3,000円かかるクリニックもあります。サイトで事前によく確認しましょう。

オンライン処方サービスの選び方

オンライン診療の選び方

「ピル オンライン」で検索をかけると、非常にたくさんのクリニックで出てきます。

どのサービスが選べば良いか分からない方のために、オンライン処方サービスで確認すべきポイントを5つ紹介します。

①診療時間と配達スピード

24時間対応のクリニックや、夜間や週末にも診療を行うクリニックであれば、忙しい方でもスキマ時間に利用しやすくなります。

最短で翌日配達のサービスもあるため、注文がギリギリになってしまった場合でも安心です。診療時間と配達スピードは、事前によく確認しましょう。

②定期便の有無

定期便は、毎回注文する手間が省けるので便利です。定期便やまとめ買いの場合は診察料や送料が無料になるなど、お得なケースもあります。

特に低用量ピルは毎日服用するものなので、定期的に届く仕組みがあると安心です。初めての利用する場合は、契約期間や解約方法も確認しておくと、トラブルを防げるでしょう。

③ピルの種類

クリニックによって取扱いのあるピルの種類が異なります。種類が豊富であれば、その分自分の体質や希望に合ったものを選びやすいでしょう。

オンライン処方でも、医師が症状や希望に基づいて提案をしてくれます。まずは自分の体質や目的に合った種類があるかを確認すると良いでしょう。

④ピルの価格

価格もサービスを選ぶ際の大切な要素です。

診察料や配送料が別途かかるケースもあるので、トータルコストで比較しましょう。

定期便や初回限定の割引を提供しているクリニックも多いため、コストを抑えたい方は料金体系をしっかりチェックすることが大切です。

⑤口コミと実績

口コミを通じて、診察や配達のスピード、対応の丁寧さ、ピルの品質に関する評価を確認できます。

医療機関としての実績や信頼性も重要です。口コミやレビューサイトを参考にして、信頼できるクリニックを見つけましょう。

診療なしでピルを処方してもらう方法はある?

ピルは「医療用医薬品」に分類され、すべて医師の診察を受けた上で処方されます。

これは対面でもオンラインでも同じで、どちらも初回診療が必要です。そのため、基本的にはピルを薬局で購入することはできません。

しかし、オンライン診療なら、診察にかかる時間は5~15分程度で済むクリニックもあり、忙しい方も気軽に利用できるサービスと言えるでしょう。

オンライン処方のピルは保険適用になる?

治療を目的に処方される場合には保険適用になりますが、避妊や月経移動、緊急避妊を目的に処方される場合は保険適用にはなりません。

それぞれのケースについて詳しく解説します。

ピルが保険適用になる場合|月経困難症の治療

月経困難症の改善を目的に低用量ピルの処方を受ける場合には、保険適用となり、3割負担で購入することができます。

ただし、オンライン診療の場合は、自費のピルしか扱っていないことがほとんどです。そのため、月経困難症の治療が目的だとしても、オンライン診療では全額自己負担となってしまう可能性があるのです。

月経困難症の治療を目的にピルを服用したい場合、産婦人科などの医療機関を直接受診することをおすすめします。

ピルが保険適用にならない場合|避妊や月経移動

避妊や月経移動を目的にピルを服用する場合、保険適用外で自由診療となります。そのため、全額自己負担で購入する必要があります。

避妊目的の服用が保険適用とならない理由は、「妊娠は病気ではない」と考えられているためです。また、生理日の移動や緊急避妊も同様に「治療ではない」ため、保険適用にはなりません。

オンライン処方のピルは危険?

手軽さや便利さが理解できても、「ピルのオンライン処方は危険なのでは?」「本当に医師が診察してくれるの?」と心配な方も多いのではないでしょうか。

ピルのオンライン処方は、厚生労働省から認可を受けた安全なサービスです。

厚生労働省の規定に基づき、適切な診察や問診を受けた上での処方が可能とされています。

心配が残る方は、ビデオ通話で医師の顔が見えるサービスを利用したり、医師の情報が掲載されているクリニックを選ぶと良いでしょう。

通販での個人輸入は危険!

ピルを海外通販で購入するのは、リスクが大きいためおすすめはできません。

偽物の薬である可能性や、有効な成分が入っていない可能性もあるためです。避妊や月経移動など期待する効果が得られないだけでなく、体に悪影響のある可能性もあります。

ピルを購入したい場合は、医療機関を直接受診またはオンライン診療を受けるようにしましょう。

どれを買えばいい?ピルの効果と種類

ピルを簡単に言うと、「女性ホルモンを含むお薬」です。

女性ホルモンの種類と含有量によって、低用量ピル、超低用量ピル、中用量ピル、アフターピルなどの種類に分かれます。

種類によって、効果や副作用の出やすさ等も違いがあります。

種類 主な用途 特徴 避妊効果 副作用
低用量ピル 避妊、子宮内膜症の改善 エストロゲンとプロゲステロンの2つのホルモンを低用量で含む。PMSや生理痛の緩和にも効果がある。 正しく服用で99.7%の高い避妊効果がある 軽度の吐き気や頭痛が出ることがある
超低用量ピル 月経困難症、子宮内膜症の改善 エストロゲン含有量がさらに少ない。 日本では避妊目的では使用されない 副作用が少ない
中用量ピル 生理日の移動 エストロゲン含有量が多く、主に生理日を調整する目的で使用。 避妊目的ではあまり処方されない 低用量ピルよりも副作用が出やすい傾向がある
アフターピル 性行為後の緊急避妊 性行為後72時間以内に服用で85%の妊娠阻止効果がある。120時間以内で有効なタイプもある。 緊急時の避妊対策(避妊効果は85%程度) 服用後に吐き気や不正出血が出ることがある

低用量ピル|避妊や子宮内膜症の改善

最も一般的なピルである低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つのホルモンを”低用量で”含むお薬です。

低用量ピルは排卵をストップする作用があるため、正しく服用すれば、99.7%と高い避妊効果が得られます。

服用によって女性ホルモンが整うので、PMSや生理痛の緩和、月経困難症や子宮内膜症の改善にも役立ちます。

関連記事
低用量ピルとはどんな効果がある?種類や値段も解説

超低用量ピル|月経困難症や子宮内膜症の改善

超低用量ピルとは、低用量ピルと比べてエストロゲン(卵胞ホルモン)の含有量が少ないピルです。低用量ピルが0.05以下であるのに対し、超低用量ピルは0.03以下であると言われています。

エストロゲンが少ないため、低用量ピルと比べて吐き気や頭痛などの副作用が起こりづらいとされています。

排卵を抑制する効果はありますが、日本では避妊目的の使用はできません。子宮内膜所や月経困難症の治療として、保険適用で処方されることが一般的です。(※医療機関を受診する場合)

中用量ピル|生理日の移動

中用量ピルは、低用量ピルよりもエストロゲンの含有量が多いピルです。

副作用が現れやすいというデメリットがあり、毎日服用が必要な避妊目的では処方されなくなりました。今は「生理日の移動」を目的に処方されています。

中用量ピルによって、生理日を遅らせたり、逆に早めたりすることができるため、大事なイベントや旅行と生理が重なってしまうときにも使用されます。

関連記事
中用量ピルは低用量とどう違う?使用目的と月経移動の効果を解説

アフターピル|性行為後の緊急避妊

アフターピルは、性行為後の緊急避妊薬です。性行為後、72時間以内に1錠服用することで、85%の確率で妊娠の成立を阻止することができます。

排卵前であれば排卵を数日間ストップさせ、排卵後であれば子宮内膜の状態を変化させて受精卵の着床を防ぎます。

アフターピルには72時間以内で有効なものと、120時間以内で有効なものがあります。どちらも性行為後、服用までの時間が早ければ早いほど、その効果は高くなります。

関連記事
緊急避妊薬アフターピルの効果と副作用は?他のピルでも避妊できる?

ピルの副作用

ほとんどの方は問題なく服用できるピルですが、中には吐き気や頭痛などの副作用が現れる方もいます。

低用量ピル

低用量ピルの副作用には、吐き気や嘔吐、胸の張り、頭痛、片頭痛などがあります。

日本産婦人科学会のガイドラインによると、吐き気や嘔吐は1.2%~29.2%の人に見られるとされ、最も頻度の高い副作用であると言えます。

服用から2~3ヵ月で落ち着くことがほとんどですが、長引く場合には医療機関を受診しましょう。寝る前に服用すると、寝ている間がピークとなり、日中副作用を感じにくいとも言われています。

参考:日本産婦人科学会「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)

超低用量ピル

低用量ピルよりも副作用は現れにくいと言われている一方で不正出血が起こりやすいともされています。

その理由は、超低用量ピルの服用によってホルモンバランスが変化するためです。飲み忘れによっても出血することがありますので、アラームをセットして飲み忘れないようにしましょう。

通常は薬に慣れることで、徐々に症状も緩和されていきます。

関連記事
超低用量ピルはどう使う?効果や特徴を解説

中用量ピル

エストロゲンの含有量が多いので、副作用がやや出やすいと言われています。

中用量ピルの副作用には、吐き気や嘔吐、頭痛・片頭痛、胸の張り・痛みのほか、情緒の変化が挙げられます。

吐き気が現れた際には、市販の吐き気止めを使っても良いとされています。一方で、2時間以内に吐いてしまった場合には、中用量ピルの成分が十分に吸収されていない可能性がありますので、必ず医師に相談しましょう。

アフターピル

アフターピルは、女性ホルモンのバランスを急激に変化させるため、頭痛や吐き気、不正出血などの副作用が現れることがあります。

最も起こりやすい副作用は、吐き気です。吐き気は全体の約3.6%の方に見られるといいますが、嘔吐が見られることはほとんどないと言います。

ただし、中用量ピルと同様、吐いてしまったときには注意が必要です。アフターピルの効果が十分に得られない可能性がありますので、必ずに医師に相談しましょう。

場合によっては、再度服用を進められる可能性があります。

参考:緊急避妊法の適正使用に関する指針

最大のリスクは血栓症!オンラインが向いていない人も

ピルの最大のリスクは「血栓症」です。
血栓症とは、何らかの原因で血管に血の塊ができ、血管が詰まってしまう病気です。

ピルに含まれる女性ホルモン「エストロゲン」には、血液を固まりやすくする作用があるため、肥満体型の方や血圧が高い方、血栓症の家族歴がある方は注意が必要です。

上記の方はオンラインよりも、産婦人科での対面診療が安心だと言えるでしょう。

当院のピル処方

避妊を目的とする場合には、生理の初日から服用を開始していただきます。服用を忘れなければ、ほぼ確実に避妊することができます。ピルのことなら、大阪市中央区北浜の山口あきこクリニックまでご相談ください。詳しくはこちら

ピルのオンライン処方に関するQ&A

医師に相談する際の注意点はありますか?

過去のアレルギーや、現在飲んでいる薬、生活習慣などを詳しく伝えることが大切です。

肥満の方や高血圧の方は血栓症のリスクもありますので、必ず医師に伝えましょう。

オンライン診療ではどんな質問をされますか?

オンライン診療では、生理周期や持病、過去の病歴、アレルギー、服用中の薬、喫煙の有無などが質問されます。

質問を基に医師がリスクを判断し、適切なピルを処方してくれますので、健康状態を正確に伝えることが重要です。

ピルを飲んではいけない人はいますか?

血栓症のリスクが高い人や、重度の肝臓疾患、高血圧、肥満、タバコを吸う35歳以上の方などはピルを飲んではいけないと言われています。

医師の判断が必要なため、心配な方は詳細を相談してください。

高校生でもオンライン処方は利用できる?

オンライン処方は18歳以上が対象となっていることがほとんどです。

高校生の場合、医師の指導のもと対面診療をすすめられることが多く、保護者の同意が必要なケースもありますので、事前に確認しましょう。

はじめてピルを使うのですが、オンライン処方でも大丈夫でしょうか?

初めての方は、対面診療を勧められる場合もありますが、オンライン診療でも医師がしっかり相談に応じてくれます。

不安があれば、その旨を伝えて丁寧な説明を受けると安心です。

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